10・28 ああ、ほんとにマグロ祭り

 

「今日はほんとに、龍神様の
秋の感謝祭にふさわしーい日となりました」

昨夜の龍神様のお祭りに、組合長はこう挨拶した。
結局、1日で80本ものマグロがあがったのだ。

 

本日、マグロ祭りいよいよフィナーレ! 

 

漁師の朝ごはんを食べる人たちでごった返すマグロ水揚げ場。
7時を過ぎると、解体場所に人々が少しずつ集まりはじめる。

 

「このマグロで、いぢばん高いところはどこでしょう!
はい、そこの奥さん!」前口上もばっちり。

「さあ、そろそろやるが〜!」
どでかい包丁がマグロに入るたび、静かなウオーがあがる。
しかし解体の間にも、新たな大物マグロが陸揚げされる。
ああ〜ん、どっちを見ればいいの〜状態なのだ。

 

 

解体と言えばこの人、浜寿司のアキちゃん。
「ほれ、こっちもちゃんとうづしておげ」

クーラーバック持参で、買う気むんむんのオヤジさん。
ちょっとまけてよ〜と、ねばるおっかさん。
異様な熱気に包まれる。

 

ひと段落ついたとき。男グリーンストアがこう言った。

「もう1本やる!」ひょえ〜〜。
朝あがった大物が、急きょ、解体されることになった。

「こりゃ、いい!」
組合長のお墨付きも出たとろとろマグロ。
今日やってきてくれたお客さんは、ほんとにラッキーだ。
って、ここ3日間、毎日言ってるぞ、そのセリフ。

 

解体されたマグロが残り少なくなってきた頃。
最終のマグロ漁ウォッチング船が出ていった。
終わりが近い。

 

 

最後に撮るど〜!
「やっ、今日は1回塗りしかしてねーして、だめだめ!」
ウォッチング船の受付も、ほんとに、お疲れさまでした。

 

 

あわただしく後かたづけ。
あんなに揉めてセッティングした朝メシ小屋も、
かたづけるのはあっと言う間。

おっきい炭火だげ、残しておいでけせよ。
スタッフで、かるぐ、やるして。

 


水揚げ場の横に集合。
「やいや、マジでマグロ祭りだべな!」
「ほんだほんだ!これがほんとの、マグロ祭り!」
「実はわいどがマグロ祭り!」
意味不明のことを言い合いながら、焼き立てのノドツコを食らう。
口に残った脂を冷たいビールで流すと、
マグロを引っ張った船が港に入ってくる。

ああ、なんという贅沢だろう。

 

 

光明丸が、どでかいマグロを連れてきた。
町の人もわらわら見物にやってきた。
重さを計った瞬間、ざざーーっと突然雨が降り出す。
マグロ祭り初めての雨。
「祝い雨だ!」
誰かが言った。

 

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