道を尋ねようと思った。

あなた「これぇ、わんちか、みぢききてんだどもさぁ  
大間人「
なにぃ?どごさ行きてのさぁ」と聞かれ、
あなた「
商店街、あるどごさ、行きてーのさ
大間人「
あっちのほう
あなた「
どごどご、通れば、いいんだべ?
すると、あー行って、こう行って、と余計解らなくなった。


解説)

「これぇ、わんちか、みぢききてんだどもさぁ」「これぇー」と呼ぶ行為は「そこの貴方」という意味が含まれます。「わんちか」は「ちょっと」(僅か)という意味です。「みぢ」は「道」の訛り。「ききてんだども」は「聞きたいんだ、けど」となります。
「さぁ・・・」は親しみを込めたり、疑問をなげかけたり、頼ったり、了解を得る場合に付きます。
まとめると「あのー、ちょっと道を聞きたいんですが?」という意味。

「なにぃ?どごさ行きてのさ」は「何?ドコに行きたいの?」という事です。

「商店街、あるどごさ、行きてーのさ」「商店街があるトコロへ、行きたいのです」という意味。

「どごどご、通れば、いいんだべ?」「どこを、どう通って行けば、良いのでしょうか?」となります。

(発音のポイント)

「これぇ、わんちか、みぢききてんだどもさぁ」の発音

「これぇ」の発音は「こ」にアクセントがあって、下がっていきます。時代劇の「これ、そこのソナタ」の「これ」と同じです。「わんちか」は音の高低差は無く、「タンタタ」というリズムだけです。

「ききてんだども」は「聞きてぇー」という要望に「だども」を付けた感じで喋るといいでしょう。「さぁ」は、この場合、語尾が疑問文のようにあがります。


「○○、あるどごさ、行きてーのさ」
の発音

「あるどごさ」は昔話の最初「昔昔、あるところに」と同じ。「行きてー」はそのまんまですが、「き」の発音での母音「い」が下がります。「i」の発音ではなく「e」の発音です。「のさ」は標準語は「さ」が上がりますが、大間語は下がります。というのも「の」にアクセントがあって、上がるためです。言葉全体でも、「の」以外にアクセントはありません。


「どごどご、通れば、いいんだべ?」
の発音

「どごどご」は「スボズボ」と同じです。
「いいんだべ?」は「いいんだ」までは標準語と同様です。そして「べ」は疑問の語尾ですが上がりません。平滑です。ただ、丁寧にお伺いしますという、へりくだった感じを高めるには「べ」は下げた方がいい。

ワンポイン!名称9席

「おっちゃ」  父ちゃん
「あっちゃ」  
かぁちゃん
「じっちゃ」  
爺ちゃん
「ばっちゃ」  
婆ちゃん
「かっちゃ」  
(よその)母さん
「とっちゃ」  
(よその)父さん
「ねっちゃ」  
お姉さん
「そじ」    
其爺(爺に対する貴方という問いかけ)
「ばっこ」   
婆子(婆ちゃんに対するスラング)

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